ZRX400 オイル漏れ修理が電動ファン修理に
今回は入庫した車両の修理ブログでございます。
依頼内容はヘッドカバーガスケットからのオイル漏れ修理だったのですが、現車を確認したところ色々悪い部分が見つかったケースでございます。さすがに25年以上経過している車両は修理箇所が増えてしまいますね・・・。
とは言っても古くたって基本治せないことはないのでご安心を。部品供給されているうちは大丈夫です。昨今は社外部品が手軽に入手できますが純正部品を使ってメーカーさんに必要性をアピールしましょう。
本題の作業内容ですが、ZRXはヘッドカバーを外すのにウォーターラインを外さないと出来ないので、冷却水も交換が必要になるのですがいくらエア抜きをしても電動ファンが回らない・・・。
水冷の車両で電動ファンが回らないとオーバーヒートしてしまいますので、優先して修理が必要です。
早速点検していきます。電動ファン本体かファンスイッチのどっちかが怪しいですが大体ファンスイッチですよね・・・。車なんかだと電動ファン本体が壊れる事が多いです。
ZRXの電動ファンは配線を短絡させれば動作確認できますのですぐチェックできます。短絡させて電動ファンが回れば電動ファンと配線は問題ないでしょう。
ファンスイッチは93~100℃以上で導通があれば良好。その後、91~95℃以下で絶縁になります。要はファンスイッチを鍋で煮込んで導通すれば良いわけです。この基準値は温度計がリニアに測れないから幅があるんですかね?
鍋で煮込みましたが、100℃付近で沸騰するので正確に測れていない気がしますが、導通無し。その後ヒートガンで温めたら導通有(余裕で100℃は超えているはず)。ONするけれど基準値は外れているので原因はファンスイッチの特性ズレですね。なのでただヒートガン等で温めて「導通有るから良品」とはなりません。きちんと温度計を使ってお湯に漬けないと良否判定出来ないのでご注意を。
ここまでくるとオーバーヒートしていることも疑って他にも点検しましょう。サーモスタットと水温センサーを確認したらどちらも不良でした。一度オーバーヒートするとサーモスタットが閉じなくなることが多いです。
ちなみに水温センサーは水中にいれて112~118℃で導通有とのことですが、それって測れるんすかね?
結果、今回はファンスイッチ、水温センサー、サーモスタットを交換後エア抜きするとクーラントは沸くことなく電動ファンが回って作業完了です。
年式的にウォータポンプとラジエーターホース類も交換したいところですね。また、なんらかしらの原因で冷却が追い付かなく可能性があるので、後付けの水温計を付けると安心かもしれません。
とにかく夏場を迎える前に冷却系は点検すると安心ですね。どっちにしろ夏場の炎天下の渋滞なんかにハマるとオーバーヒートなのでご注意ください。
余談ですが水温計と手動ファンスイッチを増設すると、夏場の渋滞にも対応しやすくなります。とは言っても人間の方が辛い状況になるかもしれないので、夏場の渋滞は避けましょう。