プラスネジを緩める際は侮ってはいけません!
前回、プラスドライバービットのお話をしたので、今回はプラスネジについて緩め方のコツなんかをお話していきます。インターネットで調べればいくらでも出てくる内容なのでググればもっと良い情報が手に入るかも。
そもそもプラスネジは構造上ナメやすいです。車ではほとんど使われていません。2000年以降の車は内装関係でしか使われておりません。なぜかバイクでは平気で使われておりますね。私も何度も舐めた事ありますし、外そうとしたボルトが既に舐めていたり。少しでも舐めたら必ず交換しましょう。外せなくなってからでは遅いですよ。
まず緩め方のコツの前にプラスネジは基本集中して作業しましょう。それくらい舐めやすいです。リカバリーしやすい箇所なら良いですが、+皿ビスなんか舐めたら外すのに相当な時間と体力を奪われます。例を挙げるとブレーキマスタータンクのビスなんかはリカバリーしづらいです。
ナベネジなどは咥えて緩めたり、ポンチで叩いて緩めたりとリカバリーがしやすいのでそこまで神経質にならなくてもいいですが工具で咥えられない場所だったり叩きにくい位置にあると気を使った方が良いです。
それでは緩め方のコツですが、まず上質なドライバーを用意しましょう。こんな事を言ってしまったらコツもなにもないのですが百均のドライバーと2000円のドライバーでは精度がダンチですので、まずは上質な工具を購入しましょう。私はPBやMACを使っておりますがKTCでも充分ですよ。
二つ目は、ドライバーサイズです。ドライバーにもサイズがあって1,2,3番と番数がありよく使うサイズは2番です。3番のネジを2番ドライバーで緩めることはやめましょう。道具を持っていないなら購入するべきです。手でボルトを緩められないように用途の違う道具でも緩める事は出来ません。
三つめは、よく言われることですが押す力8、回す力2です。これで緩まないからと言って回す力を増してはいけません。大体舐めます。正確には押す力が弱まるので舐めるのです。これはインパクトドライバーも同じで押す力が肝心です。
四つ目は、浸透潤滑剤を使いましょう。有名どころはワコーズのラスペネですね。というかラスペネを使いましょう。ラスペネは高価すぎるかもしれませんが私は基本ボルトを緩める際にしか使わないのですごい長持ちします。
五つ目は、ドライバーのボルスター部(六角部)にメガネレンチを使って緩めることです。この時も8:2の割合のイメージで行いましょう。ただし両手を使うので右手でドライバーを全力で押して、左手でレンチをカムアウトしないように確認しながら様子を見る感じで回しましょう。大体のボルトはこれで緩みます。
六つ目は、貫通ドライバーであればハンマーで叩きましょう。衝撃を加えることでボルトが緩みやすくなります。またプラス部がより食いつくのでカムアウト防止にもつながります。ガッツンガッツン叩いてはダメですよ。
七つ目、これが最終段階ですがショックドライバーを使うです。正直私は使いたくありません。ショックドライバーの構造上、思いっきり叩いてその力でボルトを回すのですが、思いっきり叩いた力は確実に部品に伝わります。相手側の状態によっては亀裂が入ったりするかもしれませんね。状況に適宜合わせて使うようにしましょう。
この七つのポイントを押さえても外れないボルトも山ほどあります。そのときは諦めてドリルで揉むなり、ナットを溶接するなり、プライヤーで咥えて回すなりするしかございません。
ちなみに、例えば三つ目の段階で舐めたらそれ以降の手順は踏めませんので、舐めた時点でドライバーで緩めることは諦めるしかございません。完全に舐めた時点でショックドライバーも使えなくなってしまいますので、プラスネジは侮らず慎重に対応しましょう。
とは言ってもプラスネジなんかは所詮M3~M6ですので大体プライヤーで掴んで回せるのでご安心を。舐めたボルトの分だけ経験値を得れるので若い内の苦労は買ってでもしろって事ですねー。
総括すると道具8割、腕2割ってことでございます。